1.6 水族館の撮影・・・江ノ島水族館


(1) 日時・場所: 2008年6月26日、藤沢市片瀬海岸の「江ノ島水族館」


(2) 概要
水族館の水槽の中を優雅に泳ぐ色とりどりの熱帯の魚たち、あるいは猛スピ−ドで泳ぎ回る回遊魚の群れ、これらの魚たちを見るのは子供でなくても楽しいものです。この泳ぎ回る魚たちを写真に収めたいとの思いは子供の頃からありましたが、銀塩写真フィルムの時代では大変難しく、なかなかよい写真が撮れませんでした。デジタル写真全盛の現在、はたして水槽の魚たちを上手く撮れるかと、写真仲間と藤沢市片瀬海岸の江ノ島水族館へ行ってきました。

撮影してみた結果、、水槽の中の魚を撮ることはデジタルカメラの場合でも大変難しいことを実感しました。
撮影環境が
 ・光環境が悪い: 水槽の内外ともかなり暗い・・・高速シャタ−が使いにくい、焦点深度が浅くなる、撮影者や背後の物の映り込み
            光源が多種多様で設置場所も多様・・・光源の映り込み、光色によっては明るいようで実際は暗い
            水中での光拡散・・・ピントが合わせにくい、 
 ・ピント光で魚が驚く・・・シャタ−チャンスを逃す、
 ・撮影対象が動く: 狭い場所をかなりのスピ−ドで動く・・・撮影ブレが起こりやすい
 ・水槽表面のキズ、汚れ
などなどと悪く、かなり手こずりました。
以下に撮影条件を変えながら撮った写真を示します。

いろいろな撮影条件の結果、反省点も踏まえ次のような条件が一般的に水槽内の撮影に推奨されます。


<水族館の水槽撮影時の推奨条件> 
 ・使用レンズは明るめのもの
 ・撮影条件: 
 ホワイトバランス・・・オ−トを選択
 ISO感度・・・1600以上、高速に動き回る対象物には2500相当,3200相当を選択
   (最近の一眼レフカメラはS/N比が改善され、ノイズリダクションもかなり効き、高ISO値でもかなりの画質が得られる)
 シャタ−スピ−ド・・・あまり高速が選べないが、動きの遅いもの:1/100秒以上、動きが速いもの:1/250秒以上は最低必要、
 露出補正・・・若干マイナス設定
・映り込み対策:
 撮影者は黒目の服装がよい
 まず肉眼で水槽のキズ・汚れ、光源位置、背後の物など確認後ファインダ−で最終確認し撮影をする




     
* 下にスクロ−ルすると写真がご覧になれます



1.動きの速い魚たちの撮影

うねり泳ぐマイワシの群れ
失敗例: ISO:1250, 1/80秒・・・躍動感はあるがブレており、更に高速シャタ−が必要

ゆうゆうと泳ぐシノノメサカタザメ
ISO:1600、1/125秒・・・もう少しシャタ−スピ−ド上げたいところ
ISO:1600,1/125秒
ISO:1600, 1/125秒
ISO:1600,1/100秒
ISO:1600、1/60秒
エイに追われるマイワシの群れ
ISO:1600,1/160秒
優雅に泳ぐエイ
ISO:2000相当、1/250秒
ISO:2000相当、1/250秒・・・動きが捕らえられるようになった


2.動きの遅い魚たちの撮影
岩場を泳ぐタカノハダイの仲間
ISO:1600、1/80秒
岩礁をはうように泳ぐミノカサゴ
ISO:1600、1/80秒・・・条件的にもう少し余裕が欲しい

海底にへばりつくオニオコゼ
ISO:1600、1/80秒

タイの仲間・・・誰かに似てますね
ISO:1600、1/80秒
熱帯の珊瑚礁に住む魚たち
ISO:1600、1/250秒


ISO:1600、1/160秒
ISO:2000相当、1/200秒
ISO:2000相当、1/125秒
条件がそろえばこの程度撮れます

3.クラゲのファンタジ−
  人間にクラゲは厄介者扱いされて何か得体の知れないものと言うイメ−ジがあります。しかし、その泳ぎを間近で見ると、人間には真似の出来ない優雅で神秘的でまさに芸術品です。以下にクラゲの様々な泳ぎを撮りました。クラゲのイメ−ジが変わるかもしれません。

アカクラゲの泳ぎ
ISO:1600、1/80秒

ISO:1600、1/80秒
天に昇るようなアカクラゲの泳ぎ
ISO:1600、1/50秒
ISO:2000相当、1/80秒
神秘的なタコクラゲの泳ぎ
ISO:2000相当、1/80秒

ISO:2000相当、1/250秒

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