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1.58 2014年私のベスト作品20

 −−写真と陶芸作品−−

1.概要
年末ですので例年の通りこの一年を振り返り、写真と陶芸作品の中から手応えのあったものや印象の強かった作品20点(写真16点、陶芸4点)を選び出してみました。
写真作品は、富士山や桜、夕景、山岳写真、古刹風景など自然風景を主なテーマにして取り組みました。今年も写真撮影を目的に立山へ登山をしました。立山三山から間近の剣岳や後立山連山を撮ろうとするものです。しかし天候が悪く稜線の剣御前小屋で一日停滞するも回復せず下山しました。山は無理は禁物です。そんな関係で今年は山写真は少ないものになりました。
また晩秋の11月下旬、今年も奈良・大和路と近江路を歩いてきました。奈良はまさに歴史の宝庫であり、路傍にはあちこちに社寺や遺跡、古墳が点在しております。我が国のルーツに思いをはせ、卑弥呼伝説をめぐるロマンの旅を堪能しながら写真を撮りました。

陶芸作品4点は、今年も引き続き作陶過程の偶然の産物で現れる窯変「景色」に注目した作品と、ライフワークである青磁の器について土と釉薬の組み合わせに下絵を加えて作陶した作品を選びました。今年は陶芸の奥深さに少し入り込むことが出来たかと思っております。

しかし写真も陶芸も振り返ってみますとまだまだ未熟さを痛感します。思い入ればかりが先回りし、まだ作品は空回りしているようですし、なんと言っても自分のカラーが出し切れていないように思います。これらの反省を踏まえ新年は多くの課題に向かってもう一歩前進したいと考えております。


    *下へスクロールすると写真がご覧になれま


2.作品

 2.1 写真作品

A.冬の作品
・富士を撮る−−新春の富士見巡り、これはここ数年続けており私の新年の行事になった感があります
作品1:  深々と雪に覆われた富士・箱根山系
2014年2月16日、逗子桜山丘陵より
今年は二月中旬に例年にない2回の大雪に見舞われ雪の少ない関東地方ではかなりの被害をもたらしました。この大雪後の相模湾上の富士山、深々と雪に覆われ青々とした海面上にそびえ格別の美しさがあります。大雪に見舞われた二日後、晴天にになりましたのでその山容を地元の丘陵よりカメラに納めてみました。
作品2:   冬富士夕景
 2014年12月13日、伊豆半島・伊豆の国市の丘陵より
この場所より四季折々の富士山を定点撮影してます。12月中旬の山容としては例年よりで雪が多く、はや真冬の厳しい山容です。冬富士の厳しい山容ですが日没前のごく短時間、夕日の斜光を受けやさしく華やぐ山容になります。
作品3:  雪の中を凛と咲く寒咲き牡丹
   2014年2月、 鎌倉八幡宮牡丹園
定型的な構図ですが寒々とした源氏池の畔で雪の中を凛とし咲き誇る強さ、美しさは見事です。関係者が丹精を込めて育てたたまものでしょう。
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B.春の作品
・桜を撮る−−毎年この季節、春をもとめ近在へ桜巡りを致します
作品4: 桜花に包まれて
 2014年4月
5日、皇居千鳥ヶ淵
久しぶりの皇居周辺歩きです。桜とお濠の風景は日本人の心情風景に合うのか多くの人が訪れ花見を楽しんでいました
作品5: 横浜山手公園の大桜
 
2014年4月5日、横浜山手68番館前
昨年、仲間の1本の大樹が枯れ、大きく剪定され心配してましたが、今年は元気な咲ぶりです。蟹の手のように大きく張り出した大樹、見事な咲ぶりに復帰し安心しました。公園関係者の努力のたまものです。
作品6: 池面も春の彩り
 2014年4月2日、鎌倉八幡宮源氏池牡丹園側より
4月初旬、鎌倉の古刹はどこも桜に包まれ華やぎます。ここ源平池では鴨が「地面の花見」を楽しんでいました
作品7:  山桜とダイヤモンド富士
2014年4月5日、逗子桜山丘陵より
逗子・葉山地区では春と夏の二回、富士山山頂に日が沈む落日ドラマ、いわゆるダイヤモンド富士風景が眺められます。今年は山桜の見頃の開花時期と重なったため「桜とダイヤモンド富士の風景」とし桜を状景に入れました。適度な春霞が幸いしよい露出補整が出来ました。
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.夏の作品
・花火を撮る(組写真)
作品8:  初夏の海を彩る光絵巻
    2014年5月29日、逗子花火大会。
打ち上場近くの海岸での花火見物は、打ちあげ時の胸に響く裂音と硝煙、明々と海面に映し出される彩り、これらが一体となった花火の造形美が見られ、花火の魅力が倍加します。今年もこの醍醐味を写真で少しでも引き出し記録できればと、打ちあげ場近くの護岸に三脚を携え情景を撮りました。毎年私と同じような写真愛好家が近在より集まり、打ち上げ前に写真談義をするのも楽しみの一つです
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・山岳写真−−−私の写真テーマの一つに山岳写真があります。毎年行っている夏の北アルプス山行、今年はアルプスらしい高山の展望が利き、朝夕の山並みを撮ることが出来る立山周辺を選びました。しかし今年は天候が悪く十分な撮影が出来ませんでした。
作品9:  ガスの切れ間に
 2014年8月5日、別山乗越への山稜
稜線をガスが飛びかい、3000mの山並みがなかなか眺められない。目的の山稜が一瞬現れ慌ててカメラに収める。正面が今日の目的地である別山乗越、左手奥が剣岳草月尾根です。
作品10:稜線を行く登山者  
2014年8月5日、別山乗越への山稜 
ガスの中、黙々と山頂を目指す登山者を撮る
作品11:  射祓いの神事(鎌倉神楽)
2014年9月18日、鎌倉・御霊神社 
鎌倉の御霊神社の秋の例祭は「鎌倉神楽」と「面掛行列」と称する奇妙な面をかぶった人々が町内を練り歩く行事が行われます。このショットは鎌倉神楽の一場面です。
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D.秋の作品
・晩秋の近江・大和路を撮る−−晩秋の近江・奈良の風情を味わいながら社寺・古墳巡りをしました
作品12: 近江の古刹・金剛輪寺秋彩(1)
 2014年11月17日、近江・金剛輪寺
湖東三山の一つで開山は天平13年(741年)と古い天台宗の巨刹です。秋の紅葉は「血染めの紅葉」と言われ、ひときは鮮やかです。
作品13: 近江の古刹・金剛輪寺秋彩(2) 
2014年11月17日、近江・金剛輪寺 
作品14: 浄瑠璃寺 秋 彩(1)
 2014年11月18日、京都・浄瑠璃寺
開基は義明上人で創建年は1047年(永承2年)の古刹です。緑多い境内は、中央の池を中心とし左右に平安末期の本堂と三重塔が配置されたた浄土式庭園を形成しており、平安朝寺院の様式を今に伝える格式ある古刹です。
作品15: 浄瑠璃寺 秋 彩(2) 
2014年11月18日、京都・浄瑠璃寺
浄土式庭園、大海の荒磯を現す立石を配置する池・・・・・・東方浄瑠璃浄土の主・薬師如来を祀る三重塔 、これらが西方極楽浄土の主・阿弥陀如来を祀る阿弥陀本堂と一直線上に東西に配置されています。我々が訪れた3時頃、本堂横より斜光が射し込み三重塔と池周辺に秋の輝きを演出してくれました。
作品16: 日本最古の大仏
2014年11月19日、奈良・飛鳥寺
平成20年(2008年)に開眼1400年を迎えた日本最古の仏像(飛鳥大仏・釈迦如来座像)です。平安・鎌倉時代の大火で罹災、その都度修復され、昔と変わらぬ仏教発祥の地とも言える飛鳥の開眼の地に鎮座し世の移り変わりを見守ってきました。まさに日本の歴史的に貴重な仏像と言えます。よく見ると尊顔には痛々しい修復の痕が見られますがこれも歴史の重みを感じさせるいわば勲章のように私には思えます。左右で顔立ちが異なり、左側からの尊顔は大仏とは思えぬ端整な容貌です。
写真界の巨匠・土門拳は晩年の古寺巡礼でこの飛鳥大仏を撮っております。その写真は正面から両眼部分だけをクローズアップした特異な構図です。土門の撮影時の気持ちがやっと理解できたように思います。


 2.2 陶芸作品


・今年は作陶過程の偶然の産物である窯変「景色」に着目し作品とライフワークの青磁の作品など4点を選びました
作品17-1:  濱田庄司風流し掛け大皿
製法:・土:伊賀土、紐積み上げ手び練り法、・釉薬:赤粉流し掛け+青白磁釉薬、・還元焼成
・東の民芸の達人濱田庄司風に大胆な釉薬流し掛けを使用、伊賀土に青白磁釉薬を組み合わせし、還元焼成時に生ずるほのかな赤味を呈する窯変を狙った作品です。窯変の狙いは出ているがまだ全体として力不足の感があります。
掛け流しは数秒で出来るので誰でも簡単にできそうですが、人間国宝・濱田庄司に言わせると「わしのは60年と5秒じゃ」と述べたと言います。簡単に見えるものほど奥が深いようです。
作品17-2:  濱田庄司風流し掛け大皿(縦位置)
作品18-1: 青磁ひび割れ鉢 
製法:・土:半磁器土(赤津貫入土)・紐積み上げ手び練り法・ひび割れ想定部に硅酸ソーダ(水ガラス)塗布
・ひび割れ部呉須塗布+青白磁釉ずぶ掛け・還元焼成
・狙い:中鉢の外壁側面にひびを入れ呉須を染みこまし青白磁鉢の景色とした。
作品18-2: 同上作品のひび割れ部拡大
・この作品は土として半磁器土(赤津貫入土)を使用し、ひび割れを大きくした。・粘りけのある土(白信楽、黒陶など)の場合は細かいひびとなる。
作品19-1:  織部呉須山絵付け鉢
製法:・土:織部土、・紐積み上げ手び練り法・下絵:呉須山絵、・釉薬:透明釉薬+織部、・酸化焼成
織部の特長である自由な組み合わせ(色、絵、形状)を入れた作品です
作品19-2:  同上作品の縦位置
作品20: 呉須花絵平津志野抹茶茶碗
製法:・土:伊賀土、 ・玉作り手び練り法・呉須花絵付け・釉薬:平津長石ドブ付け・還元焼成
伊賀土と組み合わせることによりほのかな斑点景色を呈する平津志野風茶碗を狙いました




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