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1.58 2015年私のベスト作品20

 −−写真と陶芸作品−−

1.概要
年末ですので例年の通りこの一年を振り返り、写真と陶芸作品の中から手応えのあったものや印象の強かった作品20点(写真16点、陶芸4点)を選び出してみました。
写真作品は、富士山や桜、夕景、山岳写真、古刹風景など自然風景を主なテーマにして取り組みました。今年も写真撮影を目的に西穂高岳、乗鞍岳へ登山をしました。両山から夕景や朝の明け行く山並みを撮ろうとするものです。
また晩秋の11月下旬、今年も奈良・大和路と北陸路を歩いてきました。奈良はまさに歴史の宝庫であり、路傍にはあちこちに社寺や遺跡、古墳が点在しております。我が国のルーツに思いをはせ、卑弥呼伝説をめぐるロマンの旅を堪能しながら晩秋の彩りを撮りました。

陶芸作品4点は、今年も引き続き作陶過程の偶然の産物で現れる窯変「景色」に注目した作品と、ライフワークである青磁の器について土と釉薬の組み合わせに下絵を加えて作陶した作品を選びました。今年は陶芸の奥深さに少し入り込むことが出来たかと思っております。

しかし写真も陶芸も振り返ってみますとまだまだ未熟さを痛感します。思い入ればかりが先回りし、まだ作品は空回りしているようですし、なんと言っても自分のカラーが出し切れていないように思います。これらの反省を踏まえ新年は多くの課題に向かってもう一歩前進したいと考えております。特に写真はデジタル色彩処理にもう一歩深く入り込み研鑽したいと考えております。


    *下へスクロールすると写真がご覧になれま


2.作品

 2.1 写真作品

A.冬の作品
・富士を撮る−−新春の富士見巡り、これはここ数年続けており私の新年の行事になった感があります
作品1: 葉山港赤灯台よりの富士見景色
2015年1月3日、葉山港赤灯台
湘南の海の典型的なシーンです
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作品2: 長勝寺寒中修行・・大国祷会厳修
2015年2月、鎌倉長勝寺
100日間の荒行を続けてきた修行僧がこの日長勝寺で最後の水行を行い満願を果たす成満祭です
作品3: 自然の造形・氷樹
冷え込んだ早朝、庭を見回るとメダカ鉢上の金属蓋に見事な「氷樹」が出来ており、慌ててカメラに収めました。日が昇り綺麗に輝くかと思いましたが融解し、まさに早朝の一瞬の自然の造形物でした。氷樹の先端は花が咲いたように見え、不思議な造形です。氷の結晶の一種かと思いますが金属や酸化物に微少電流が流れて発生するフィスカーに似ています。
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B.春の作品
・桜を撮る−−毎年この季節、春をもとめ近在へ桜巡りを致します
作品4: 都心の花見
2015年4月、新宿御苑
桜の大樹に囲まれ一瞬都心にいることを忘れるが、背景にそびえるNTTドコモ代々木ビルが都心であることを知らしめる風景である
作品5:  花筏に埋まる源氏池
2015年4月、鎌倉八幡宮源氏池
作品6: 山桜と富士のある風景
2015年4月、逗子桜山丘陵
春霞の中に山桜と江ノ島、富士のある風景、日本の源風景に出会いました
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作品7: 浅草三社祭−−みんなで祭を祝い楽しむ元気な人々
2015年5月17日、浅草寺界隈
スカイツリーまで届けと元気に担ぐ人々
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C.夏の作品
・山岳写真−−−私の写真テーマの一つに山岳写真があります。毎年行っている夏の北アルプス山行、今年はアルプスらしい高山の展望が利き、朝夕の山並みを撮ることが出来る西穂高岳、乗鞍岳周辺を選びました。夏らしい天候で朝夕の山岳風景を堪能できました。
作品8:  雷雨止んで−−虹かかる霞沢岳
2015年8月、西穂高山荘前
夕方、穂高の山々の夕景を撮るため西穂稜線の丸山付近まで登る予定にしていました。しかし4時頃よりガスに包まれ雷雨に遭い断念しました。小雨の中、周辺の花を撮っていましたところ天候急回復してきました。夏山の夕景は刻々と変化しドラマチックでした。
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・アルプスの夜明け−−明け行く穂高山塊を撮る3枚組写真
今年の新しい試みとして、乗鞍岳より明け行く穂高・槍山塊を遠望した写真と、前日に西穂高山稜よりほぼ同時刻に撮った写真を夜明けの時刻順に並べて組写真としました。乗鞍岳よりやや逆光気味の遠望して観る「朝の陽光を受けて明け行く穂高・槍山塊の風景」と、穂高山塊内の西穂高山稜よりみる順光気味の朝の陽光をを受けた「穂高山塊の夜明けの風景」を切りとったシーンです。それぞれ特徴がある爽快なアルプスの夜明け風景を引き出してみました。
作品9-1: 夜明けを待つ穂高・槍山塊(4時43分)
作品9-2: 朝光射す穂高・槍山塊(5時17分)
作品9-3:爽快・上高地を囲む山々の夜明け(5時12分)
右より霞沢岳、乗鞍岳、焼岳、中央の雲海の下が上高地です
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・夕景を撮る
作品10:相模湾熱照
2015年8月、逗子桜山
天候が不安定なとき、自然はいつもと違った思わぬ状景を見せてくれることがあります。夏の暑いこの日、午後から雷雲が発生し変わりやすい天候でした。夕方自宅で窓外を眺めると西空がいつもと違って赤々と染まり始めました。慌ててカメラ片手に撮影ポイントへ駆け参じました。そして日没後、相模湾の雲と海が刻々と赤く染まり変わりゆく異様な夕照ドラマを見ることができました。
作品11: モンスター対決
2015年8月、逗子桜山
雲と光が織りなす空はまさに一枚のキャンバスです。意外な場景に出会います。
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D.秋の作品
・晩秋の大和路を撮る−−晩秋の奈良の風情を味わいながら社寺・古墳巡りをしました
作品12:  室生寺本堂秋彩
2015年11月、奈良女人高野室生寺
五間四方の入母屋造りの大きな建物で1308年の建立(国宝)、真言宗の最も重要な法儀を行う堂であることから本堂と呼ばれている。本堂前のモミジが山寺らしい風景を作り出し美しいです
作品13:  薬師寺西塔秋彩
2015年11月、薬師寺門前
作品14: 極楽浄土の光
2015年11月、薬師寺西塔
ちょうど塔を見上げていると相輪上の雲の切れ間から一瞬光芒が射し天上からの極楽浄土の光を思わせ、思わず手を合わせて撮りました
作品15: 秋の夜空に浮かぶ興福寺五重塔
2015年11月奈良猿沢池
昨年手撮りで失敗、今年は三脚持参で撮りました。池縁の黄葉した柳が風に吹かれたなびき、晩秋の趣がありました。
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・室生寺・秋の五重塔を撮る−−(3枚組写真)
平安時代初期創建(国宝)、総高16.1mと屋内に立つ五重塔としては最小であり、室生山中最古の建築物であるその端整な均整のとれた建築美に魅了されます。
作品16-1: 作品16-2:
総高16.1mと屋内に立つ五重塔としては最小ですが屋根の勾配がゆるく軒の出が深い檜皮葺の屋根と朱塗りの柱や白壁が好対照をなしており、端整な均整のとれた塔を形成しています。平成十年に台風により大きな損傷を負い、平成十二年に修復、落慶しました。平安時代にこのような建築物が建てられたとは驚きです。
作品16-3:
珍しい独特の相輪形態を有している
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 2.2 陶芸作品

・今年は作陶過程の偶然の産物である窯変「景色」に着目し作品とライフワークの青磁の作品など4点を選びました
作品17-1: 「モミジ葉文様青磁中皿」
 ・製法: ・土:伊賀土、紐積み上げ手び練り法、・呉須吹き墨モミジ葉下絵、釉薬:青白磁釉薬、・還元焼成 
・伊賀土中皿に吹き墨手法で中央に呉須下絵を描画、この上に青白磁釉薬を施し、還元焼成時に生ずる窯変を狙った作品です。下絵を囲むように皿外縁にほのかな赤味を帯びた表色が綺麗に得られました。
この伊賀土の窯変メカニズムの制御が出来るように今後究明を続けます。
作品17-2:同上作品の縦位置
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作品18:「呉須山絵文様青磁中皿」
製法:・土:伊賀土、紐積み上げ手び練り法、・呉須山絵下絵、青白磁釉薬、・還元焼成
伊賀土中皿に遠景・中景・近景の呉須山絵を下絵として描画、釉薬として青白磁釉薬を使用し、還元焼成時に生ずるほのかな赤味を呈する窯変(御本手)を狙った作品です。窯変の狙いは出ているがまだ全体として描画が力不足です。
また窯変の出方がやや不均一であり、この制御が今後の課題です。
作品19:青磁抹茶茶碗
・土:伊賀土・紐積み上げ手び練り法、・釉薬:青白磁釉、ずぶ掛け・還元焼成
・伊賀土と釉薬によるほのかな赤味と白斑点を帯びた窯変を狙いました
作品20: アメへぎめタタラ長皿
・土:黒陶土、・たたら作り+へぎめ陰刻、アメ釉薬ずぶ掛け、・酸化焼成
力強いへぎめ陰刻と釉薬のまだら模様の表色とを組み合わせダイナミックな大皿を狙いました


3.付録
我が家の「季節の生け花」, 師走の彩りです。

付録写真1: 季節の生け花(その1) 付録写真2:季節の生け花(その2)
付録写真3: 季節の寄せ植え・・(頂き物です



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