2.18 鎌倉名越切通とまんだら堂やぐら群

(1) 日 時 :2009年11月28日
    場 所 :名越切通(逗子市、鎌倉市)、まんだら堂(逗子市)

(2) 概要
 名越切通は鎌倉時代の「鎌倉七口」の1つで、鎌倉と外部とを結ぶ要路です。現在では朝比奈切通とともに最も当時の面影を残しておると言われています。この切通一帯は三浦一族からの攻撃に備え、自然の壁岩を利用し、尾根道に人工的な崖の大切岸(おおきりぎし)などと組み合わせ、防御に神経を使っていた要所であったことがうかがえます。(なお、大切岸についてはただ単なる石切場であり、防御を目的に作ったものでないとの説もあります)
この切通の周辺には防御に関連する平場や切岸、葬送に関連するやぐらや石物碑、火葬蹟など多くの遺構が残されております。そのため中世都市の周縁の歴史的景観をよく残していると評価され1966年に国史跡に指定されました。現在この一帯を逗子市が主体になり、調査と整備に当たっております。
 この切通しの鎌倉方面に向かって右側の岩壁上に大きなやぐら群があり、まんだら堂やぐら群と言われています。まんだら堂がどんな建物であったかはまだ定かでありませんが、この一帯には150穴以上のやぐら群が確認されており、しかも可成りよい状態で保存されており貴重な遺跡です。現在逗子市が調査と整備を進めており、1〜2年に一回一般に開放されます。今回この開放見学に行ってきました。

        *下にスクロールすると拡大写真がご覧になれます。

史跡:名越切通し
鎌倉側へ下る道には大きな岩が連なる
逗子側に下る道は両側を壁岩に囲まれ迷路のように曲がりくねる
まんだら堂入り口の石碑
切通しの鎌倉に向かって右側の崖上にまんだら堂がある
壁岩に並ぶやぐら群
やぐらの中に並ぶ石碑や五輪塔
尾根の岩盤を大きく削り、その巖壁にやぐらを掘っている
石碑が多く残されている
石碑は後に動かされており、当時と異なりますが保存状態はよい
やぐら前の平場には数々の遺構や遺物が発見されている
現在は史跡周辺に水仙、紫陽花などが植えられ供養されている
「名越切通し」の下は現在横須賀線や国道のトンネルが設けられている





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