3.7 夏の上高地・蝶ヶ岳周遊

(1) 日 時 :2009年8月6日〜8日

(2) 概 要

夏山シーズン真っ盛りのこの時期、比較的空いているであろうと北アルプス・蝶ヶ岳へ行ってきました。
私にとって蝶ヶ岳は2度目の登山になります。1度目の登山は家族との登山でした。前に家族で登った奥穂高岳を遠くから眺めようと蝶ヶ岳を選んだわけですが、視界の利かない登山路と急坂の連続に家族から不評をもらったことが思い出されます。
 今回は、写真を撮ることを目的にしましたので単独行とし、、天気予報を見ながら日程を決めました。昔何回か行き来した梓川沿いの道を写真を撮りながらのんびり歩き、眺望の利く蝶ヶ岳山頂で山塊のパノラマ写真を撮ろうと計画したものです。
 しかし、あいにく天気予報が1日ずれてしまい、1日目、2日目とも雨に遭う登山条件としては悪条件でした。しかし悪条件ばかりではなく、幸運にも2日目の蝶ヶ岳ヒュッテ到着後の夕方から天候が急回復し、予定のパノラマ写真を撮ることが出来ました。むしろ、晴天時より光と雲のドラマチックな変化に遭遇することが出来て、写真の対象としては願ってもない情景でした。この現地での感動が写真にどれだけ表現できたかと言うと反省点も多く、、写真を整理しながら自問しております。
 以下皆さんに感動が伝わるか心配ですが何枚かの写真を載せました。



  「コ−ス概要」
    ・第1日目
     天 候: 曇り、後雨 、明~館到着時は本降りの雨
     コース: 大正池---田代池---河童橋----明~館(泊)
   ・第2日目
     天 候: 出発時は小雨がぱらつく曇り、11時頃より雨強くなり頂上では全く視界利かず、小屋到着後夕方より天候急
           回復
     コース: 明~館---徳沢(約1560m)---(長塀尾根コース)2000mの平---長塀山(2582m)---妖精の池(この辺は
          舟窪地形で湿地帯、花が多い)----- 蝶ヶ岳(2677m)---蝶ヶ岳ヒュッテ(泊)
   ・第3日目
    天 候: 晴れ、登山には快適な天候。しかし穂高山塊は雲に覆われ山稜を見ること出来ず
    コース: 蝶ヶ岳ヒュッテ---横尾分岐---(ここより下りコース)---槍見台(約2000m)---横尾----徳沢----明~---
         上高地バスターナル



赤線の矢印が今回の登山コース

2日目のコース断面図
距離約8kmであるが、累積標高+1255m、−133mのほぼ登りだけの急登コースである。大部分が樹林帯である。
今回は雨でゆっくり堪能出来なかったが、頂上直下は湿地帯で高山植物(花)が多く群生している。稜線での晴れた
ときの展望は抜群で、北アルプスを360度見渡せる。特に、蝶ヶ岳よりの穂高・槍山塊の眺めは迫力があり素晴らしい。
3日目のコース断面図(但し、平坦な徳沢--上高地間は除外)
距離約8km、累積標高+1235m、-133mの急な下り一方のコース、樹林帯が多く展望が利かない



  *下にスクロ−ルすると写真がご覧になれます

a. 上高地--明神間

大正池より焼岳を望む
夏の焼岳は木々の緑に覆われおとなしい
大正池より穂高岳沢方面を望む
ここからの眺めは晴れていれば絵になるビュ-ポイント残念ながら雲に覆われている
小ガモ戯れる田代池
いつも清らかな水に満ちている
河童橋
いつも観光客で賑わっている
河童橋わきから望む穂高(残念ながら眺望できず)
登山者は誰でも格別な思いでここから穂高を眺めたことがあるだろう
登山時は挑戦する緊張感と高揚とした気分で・・・、また、下山時はよくもあの岳沢を下ってきたものだとの達成感、充足感を持って・・・・、
清流の流れ
いつまでも保って欲しいと願う風景である


b.光と雲と岩峰が織り成す夕映え絵巻(蝶ヶ岳山頂より)

4時頃まで雨とガスに包まれ全く視界が利かない。今日の山頂での展望をあきらめ同宿する登山者と登山談義に耽っていた。突然6時近くに外部が明るくなり、慌ててカメラ片手に小屋を飛び出る。強風に吹かれガスが切れ始め、黒々とした大きな穂高の山稜が眼前に表れた。
以後約1時間半、強風と寒さも忘れ、刻々と変わる光と雲と岩峰が織り成す夕映えの演出劇を息を呑んでカメラに捉えました。

雲舞い上がる穂高の岩峰群
白と黒のモノクロの世界、強風に吹かれ雲が舞い上がり、黒々とした穂高の岩峰が現れる
左より、奥穂高、唐沢岳、北穂高、大キレット、南岳
槍ヶ岳(1)
槍沢より次々と雲が舞い上がっては消えて行く、まだモノクロの世界
槍ヶ岳遠望
上空の雲が空き、光が差し始める
槍ヶ岳(2)
槍沢より雲が絶え間なく吹き上げる。雪渓やハイマツ、岩の色が現れ、カラ-絵巻になる
穂高・槍山塊
青空が現れ、雲が夕日で染まり始める
雲走る槍ヶ岳
どっしりした常念岳
左手後方は、水晶岳、野口五郎岳、大天井岳などの山々が遠望される
燃える大キレット・・・落日プロローグ
落日直前の穂高山塊、大キレット付近に落日する
槍ヶ岳落日
穂高・槍山塊落日(1)
ちょうどキレットに落日
夕映え雲舞う穂高・槍山塊(2)
落日後、雲が一段と青空に鮮やかに燃え渡る
穂高・槍山塊落日(3)・・・エピローグ
光と雲と岩峰が織り成す最終絵巻、
雲舞う蝶ヶ岳展望台
夕映え雲騒ぐ常念岳(1)
夕映え雲騒ぐ常念岳(2)
夕映え絵巻に見入る登山者
落日後も刻々と変わる山容に遅くまで見入る登山者



  c. 早朝の山々(蝶ヶ岳山頂より)
山頂でご来光を待つが雲海の上に雲が多く果たせなかった。しばらくして突然雲間が開き、旭日射す浅間山が雲海に浮かび上がった。その崇高な姿を捉えた。

旭日待つ雲海
日の出5分前、空が赤く染まり始める。画面左手が日の出位置、雲多くご来光見えず
旭光爽快
日の出10分後、夏山の静かで爽快な幕開け
雲間に浮かぶ浅間山(1)
雲が幕開きし、旭光射す浅間山が現れる。その崇高さに息を呑む
雲間に浮かぶ浅間山(2)
富士山遠望
左手は蝶ヶ岳キャンプサイト



 d.山頂--横尾間

花が咲く蝶ヶ岳稜線
晴れ渡る壮快な稜線、しかし昨晩見た穂高山塊は雲に隠れ見えない
岩場に咲く花(蝶ヶ岳稜線)
後方に前穂の尾根が見渡せる
槍ヶ岳遠望(槍見台:約2000m位置)
樹林帯の視界の利かない横尾への下山路、この槍見台が唯一の展望台である。槍の見納めでもある。




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