3.13 夏の立山三山・弥陀ヶ原周遊
夏山シ−ズン真っ盛りのこの時期、昔の同期の仲間と北アルプス・立山三山と室土弥陀ヶ原周辺を歩いてきました。
立山三山縦走は今回で4回目になりますが、私にとって立山三山は格別の場所です。それは学生時代、初めてのアルプスがこの立山三山から始まったからです。室土までロ−プウエイやバスが無い時代、美女平から大きなキスリングを背負い室土まで歩き、室土平にテントを張り、初めて3000m級の立山三山を歩きました。その後、山々は変わりませんが、室土周辺の環境は年々激変しており、当時と比較しながら毎回驚きながら楽しんでおります。
今回は、年令を考え室土から一気に立山三山を廻るのではなく、稜線に泊まりゆっくり縦走を楽しもうと計画しました。今回もまた好きな剣岳の写真を撮ろうと重い写真道具を背負っての登山となりました。現地の感動が写真でどの程度伝わるか分かりませんが以下に何枚かの写真を載せました。
「コ−ス概要」
第T日目:
・室土タ−ミナル−−−ミクリガ池−−−雷鳥平2256m−−−雷鳥沢−−−別山乗越(剣御前小屋)2740m
第2日目
・剣御前小屋−−−真砂岳2861m−−−大汝山−−−立山3015m−−−雄山2992m−−−一の越
−−−室土−−−雷鳥平(雷鳥沢ヒュッテ)
第3日目
・雷鳥平−−−地獄谷−−−天狗平−−−獅子ヶ鼻岩・一の谷−−−弥陀ヶ原
第1日目〜第2日目コ−ス図 |
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赤い矢印が今回の登山コ−ス |
第1日目コ−ス断面図(室土タ−ミナル−−→剣御前小屋) |
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・総距離約3kmであるが 雷鳥平〜剣御前小屋間が約500mの急登である。累積標高 +484m、−167mである。 第一日目としては適度なコ−スであるとして選んだ。 |
第2日目コ−ス断面図(剣御前小屋−−立山三山−−一の越−−→雷鳥沢ヒュッテ) |
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・立山三山の稜線を歩く見晴らしのよいコ−スである。稜線の左右に美しい典型的なカ−ル(氷河が削った谷)があり、夏でも 多くの雪渓が残っている。 前半はピ−ク越えのあるアップダウンコ−ス、後半は下り一方である。総距離:約7km、 累積標高: +441m、 −891m |
第3日目コ−ス図(雷鳥沢ヒュッテ−−地獄谷−−天狗平−−→弥陀ヶ原ホテル) |
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第3日目コ−ス断面図 |
・雷鳥平より噴煙たなびく地獄谷、多くの池塘が散在し花が咲き乱れる天狗平、ガキ田を歩く快適な散策コ−スである。奥大日岳、 大日岳の眺めがよい。 道はよく整備されているが、後半の一ノ谷に降りる獅子ヶ鼻岩にはクサリ場があり、一般観光客の方々 にはやや問題がある。 総距離:約8km、 累積標高: +254m、−587m |
*下にスクロ−ルすると写真がご覧になれます
a. 室土タ−ミナル−−剣御前小屋.
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まだ多くの雪が残るミクリガ池 |
室土周辺は例年より残雪が多い |
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室堂より立山連山を望む |
左手の尾根が雷鳥沢、これから登る別山乗越への登山路が見える |
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雷鳥平テントサイト |
色とりどりのテントが並ぶサイトを行く |
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雷鳥沢の中間地点より残雪多い室土・地獄谷周辺を見下ろす |
途中雷が鳴り出し雨がぱらつく夏特有の天候状態になる。しかし、急登の道には涼しく有り難い。 |
b.立山三山縦走
前日の夕方からすっぽりガスに包まれ前面にそそり立つ剣岳を見ることが出来なかった。しかし、早朝の日が昇る頃、強風に吹かれ青空が望めるようになり待望の剣岳が現れだした。
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別山の稜線より陽光が差し込む剣沢 |
強風に吹かれ稜線のガスが刻々と変化する |
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雲舞う剣岳(1) |
剣の切り立った源治郎尾根や八峰の岩々が見えだした |
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雲舞う剣岳(2) |
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雲舞う剣岳(3) |
晴れた日の剣岳、その端正な山容はロダンの彫刻のようだ。 しかし、この岩峰は雲が舞う山容の方が似合っているように思う。 |
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大日岳好日 |
別山尾根より連なる山々、手前より奥大日岳(2506m)、中大日岳(2500m)、大日岳(2501m)遠望、 花の多い山として有名で訪れてみたい山の一つである。 |
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残雪多い室土・弥陀ヶ原 |
遠く薬師岳が遠望できる |
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好天・剣岳(1) |
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好天・剣岳(2) |
この凛とした端正な山容は百名山随一であろう |
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雪紋 |
稜線には残雪が多く残っており、強風に吹かれた独特の形状が美しい |
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好天・剣岳(3) |
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稜線を行く(1) |
切り立った立山三山の稜線が美しい。好天であるが風速15m程度の強風が吹き抜け夏でも寒い |
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稜線を行く(2) |
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山稜の花々(1) |
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後立山連峰の山々 |
鹿島槍ヶ岳、五竜岳などの後立山の山並み |
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稜線を行く(3) |
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大日岳好日(2) |
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山稜の花々(2) |
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雄山山頂 |
山頂神社へ多くの人々が祈願に訪れている。 |
c.雷鳥平の朝
室土・雷鳥平は周囲が山に囲まれているため直接日の出は眺められない。夜明けとともに空が染まりだし、登山者が早立ちし始め山間の朝を迎える。
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立山連山の夜明け |
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山稜を行く登山者 |
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早朝の大日岳 |
d.弥陀ヶ原周遊(雷鳥平−−−弥陀ヶ原)
雷鳥平、天狗平、弥陀ヶ原は立山火山によって形成された溶岩台地で、今も活動する地獄谷や数多くの池塘が散在するガキ田などよく自然が保たれている散策路である。初夏には多くの花々が咲く。また、昔の信仰登山路には祠などがある。ただこの散策路の終端に近い一の谷への下降路はクサリ場があり、しっかりした靴が必要である。
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雷鳥平 |
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地獄谷(1) |
今でも噴煙や少量の硫化水素がでて活動している |
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地獄谷(2) |
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散策路脇にそびえる大日岳 |
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散策路脇の雪渓と花々 |
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好天下、荷揚げのへりが大活躍 |
後方は剣岳の草月尾根 |
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花が咲き乱れる天狗平 |
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路傍の石仏 |
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可憐に咲く立山リンドウ |
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ワタスゲと池塘 |
遠くにどっしりとした薬師岳が望める |
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獅子ヶ鼻岩直下のクサリ場 |
獅子が見下ろしている一ノ谷への下降路。散策路唯一の注意箇所である。 |