3.15 夏の唐松岳から白馬三山周遊
(1). 日 時 : 2011年7月25日〜7月27日
(2). 概 要
毎年の北アルプ山行、今年も山友と白馬岳周辺を歩いてきました。白馬岳へはこれで4回目です。今年は岩峰と雪渓の変化のあるコースを楽しもうと選びました。年齢を考えると少しハードな行程ですが、それを少しでもカバーしようと一般的なコースの逆コースをとりました。
今年は梅雨明けが早かったため、この時期はやや天候が不安定で、稜線の展望がきかないガス(山雲)の多い山歩きでした。しかし、ガスで山容が刻々変化する風景は、またこれはこれで楽しいものです。またなによりも涼しい山歩きが出来て体力的に助かりました。重い写真機材を背負い、稜線での写真をと計画しましたが、写真のでき具合の方はもう一つの気がします。皆さんに山の感動が少しでも伝えられればと、以下にときどきの写真を載せます。
「コース概要」
第1日目: 八方池山荘(1850m)---八方池---丸山ケルン---唐松岳山荘(2620m)泊
第2日目: 八方池山荘---唐松岳(2696m)---不帰ノ嶮(2614m)---天狗ノ大下り---
天狗ノ頭---天狗山荘(2730m)----白馬鑓ヶ岳(2903m)---杓子岳(2812m)
---白馬岳頂上宿舎(2730m)泊
第3日目: 白馬岳頂上宿舎---白馬岳(2932m)---白馬岳頂上宿舎---岩室---大雪渓
---白馬尻小屋(1560m)---猿倉荘(1250m)
コース概要(第1日目--第2日目--第3日目コース) |
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* 赤線が今回の周遊コース |
第1日目のコース断面図(八方山荘--八方池--丸山ケルン--唐松岳山荘) |
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・八方尾根リフト終点の八方山荘から唐松岳山荘までをひたすら登るコース |
・沿面距離約4.4km、標高差約800mの登り一方の行程、しかし天気がよければ右手に白馬三山や不帰ノ嶮、左手に五龍岳、鹿島槍ヶ岳が望める快適なコース。今回は小雨交じりのガスが舞う不安定な天候でよい眺望は得られなかった。しかし霧のあいまに見える山々はまた格別の趣があった。 |
第2日目前半のコース断面図(唐松岳山荘---不帰ノ嶮---天狗の大下り--天狗山荘) |
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・2日目の前半コース:今回の全行程中で最も神経を使う歩き難い(難所)コース、特に不帰ノ嶮のU峰(北峰)〜T峰間と天狗ノ大下りの中腹は急斜面にクサリ場とハシゴが多くあり、天候が悪いときは要注意箇所である。幸い今回はガスが舞う条件であったが雨に遭わず快適に上り下り出来た。 |
・沿面距離:約5km、累積標高:+697m、-600mの起伏に富んだコースである。 |
第2日目後半のコース断面図(天狗山荘--鑓ヶ岳--杓子岳--白馬岳頂上宿舎) |
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・2日目の後半コース:前半の難コースを通過しほっとするが、前方に大きく鑓ヶ岳、杓子岳が立ちはだかり体力のいるコースである。 |
・沿面距離:やく4.4km、累積標高:+471m、-407m |
・2日目の全コース累計:沿面距離:9.4km、累積標高:+1168m、-1047mとかなりの起伏と変化のある長丁場コース、今回は一日中ガスが舞う眺望が効かなかったが山々はガスで刻々と変化があり楽しめた。またなによりも稜線上は涼しく、体力消耗には助かった。 |
第3日目のコース断面図(山頂宿舎--白馬岳--山頂宿舎--大雪渓--白馬尻--猿倉) |
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・3日目のコース:登山者に人気のある大雪渓コース、ほぼ下り一方の行程で、その約40%は雪渓で涼しい快適なコースである。ただ疲れた身体には膝の負担が大きい。 |
・沿面距離:約6.5km、累積標高:+227m、-1729m |
*下へスクロールすると写真がご覧になれます
A. 第1日目(八方池山荘-----唐松岳山荘間)
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写真.1: 八方池山荘を出発 |
ガスに包まれ小雨混じりの尾根を登る。この辺は観光客が多い |
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写真.2: 登山路脇のニッコウキスゲ |
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写真.3: 八方池 |
池の周辺は学生登山者で賑わっている。晴れていれば左右に後立山の 山々がながめられる絶好の場所。 背景はガスに覆われる白馬三山 |
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写真.4: 雲舞う五龍岳 |
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写真.5: 眼前に広がる不帰ノ嶮の山容(丸山ケルン2360mにて) |
翌日縦走する山容が現れ、しばし見入る |
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写真.6: 不帰のU峰(北)--天狗ノ大下り の山容 |
今回のコースでの最大の難所、峻険な稜線に緊張感が走る |
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写真.7: 天狗平--白馬三山遠望 |
大らかな山容、高山植物が多いものと期待が膨らむ |
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写真.8: 丸山ケルン(2360m)より信州側遠望 |
B. 雲と岩峰の織りなす風景(唐松岳稜線より)
唐松山荘(2620m)のある稜線は天気がよければ素晴らしい眺望が得られる。正面に剱岳の雄姿が迫り、それに続く立山三山が見られる。また、この後立山連峰の信州側と黒部・富山側では稜線を挟み天候が大きく変わることが多く、変化のある山容が見られる場合が多い。しかし丁度登山日は天候が安定せず、雲が足早に流れ刻々変化していた。こんな条件下で三脚を据え、夕景と朝景を狙ってみた。
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写真.9: 唐松岳夕照 |
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写真.10: 唐松岳夕照(2) |
日没間際になり青空が望めるようになった |
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写真.11: 雲舞う剱岳・立山連山夕景 |
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写真.12: 雲舞う剱岳 |
峻険な剱岳の山容、この山は雲舞う姿が似合っているようである |
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写真.13: 雲湧く不帰ノ嶮山塊 |
次々と谷底から湧いては消えるガス、まるで水墨画を見るようだ |
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写真.14: 雲のベールに包まれる早朝の剱岳山塊 |
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写真.15: 早朝の鹿島槍ヶ岳遠望 |
五竜の稜線越しに双耳峰がくっきり望める |
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写真.16: 朝焼けの五龍岳 |
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写真.17: 旭光射す雲海 |
雲海に覆われる信州側の山や谷 |
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写真.18: 旭光射す雲海(2) |
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写真.19: 朝の剱岳山塊 |
C.第2日目(唐松山荘-----白馬岳頂上宿舎)
早朝は小雨混じりの雲に覆われ日の出は見ることが出来なかった。しかし、幸い5時頃から雲がきれまずまずの天候になった。気合いを入れ今日の長丁場の変化のある縦走をスタートする。
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写真20.: 唐松岳山頂より五龍岳遠望 |
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写真.21: 峻険な山容を見せる不帰ノ嶮と天狗の大下り |
前方の雲の下がU峰でこの登山路の最大の難所 |
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写真.22: U峰の下り場 |
くさり場で渋滞 |
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写真.23: U峰(北)下り場にある標識 |
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写真.24: 急峻な岩場を行く登山者 |
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写真.25: ガス舞い上がる急峻な岩場を行く登山路 |
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写真.26: なだらかな天狗平周辺(天狗ノ頭より) |
不帰ノ嶮を渡り、天狗ノ大下りを登り切ると天狗ノ頭に到着する。山容が一変する。 |
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写真.27: 登山路脇に咲くコマクサ(天狗平稜線) |
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写真.28: 天狗小屋前の水場 |
縦走路唯一の水場 |
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写真.29: 眼前に立ちはだかる白馬鑓ヶ岳(2903m) |
雄大で山肌が白く美しい山容である。山肌は白い砕石帯に覆われている。 |
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写真.30: ガスに覆われる白馬鑓ヶ岳 |
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写真.31: 鑓ヶ岳中腹より天狗小屋方面を望む |
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写真.32: 杓子岳中腹より丸山・白馬岳方面 |
もう一登りで頂上宿舎、丸山周辺は高山植物が多く疲れを忘れさせる |
D.第3日目(白馬岳頂上宿舎--白馬岳--大雪渓--猿倉)
早朝は今日も小雨混じりのガスに覆われ日の出を見ることが出来なかった。6時頃よりガスが切れ、登山者が動き出す。
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写真.33: 小雨降る中、白馬岳山頂に向かう登山者 |
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写真.34: 杓子岳、鑓ヶ岳遠望 |
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写真.35: 大雪渓を見下ろす(白馬岳山頂付近より) |
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写真.36: 白馬岳山頂付近の花々 |
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写真.37: 大雪渓下山スタート |
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写真.38: 登山路脇の花々 |
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写真.39: 登山路脇の花々(2) |
大雪渓までの急斜面には多くの高山植物が咲き乱れている |
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写真.40: 雪渓脇に咲く花々 |
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写真.41: 切り立つ杓子岳の尾根 |
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写真.42: 元気に登る登山者 |
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写真.43: いよいよ大雪渓 |
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写真.44: 延々と続く雪渓 |
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写真.45: 雪渓を登る登山者 |
落石があるので雪渓中央を登る |
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写真.46: 雪渓より白馬岳遠望 |
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写真.47: 大雪渓を行く登山者 |
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写真.48: 大雪渓終点 |
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写真.49: 白馬岳を望む(白馬尻より) |
怪我もなく楽しい山行を終えることが出来ました。-- -- みなさんに感謝、感謝です! |