1.36 夏山写真紀行
1.日 時: 20012年8月3日〜5日
2.概 要
毎年行っている夏の北アルプス山行、今年は趣味の写真撮影を目的とした山行としました。アルプスらしい高山の展望が利き、朝の山並みを撮ることが出来る場所、ということから過去何回か行ったことがある西穂高岳と乗鞍岳周辺を選び、単独行で気ままに歩いてきました。今回は歩行距離も短く、また撮影目的と言うことでいつもの山行より欲張った写真機材を持参しました。幸い天候条件に恵まれ私にとっては至福の時間とも言うべきよい写真山行を楽しむことが出来ました。
しかし写真はまだまだ修行中の身、皆さんにどれだけ山の雰囲気をお伝えできるか分かりませんが以下に各行程での写真を掲載致します。
<コース概要>
・第1日目: 新穂高温泉・・・(新穂高ロープウエイ)・・・西穂高口−−−西穂山荘(泊)==(稜線撮影)==西穂高独標(2701m)
・第2日目: 西穂山荘−−上高地−−(上高地周辺撮影)−−上高地・・・平湯・・・乗鞍畳平−−(乗鞍岳周辺撮影)−−肩の小屋(泊)
・第3日目: 肩の小屋−−早朝乗鞍岳稜線・山頂(3026m)撮影−−肩の小屋−−富士見岳(2817m)山頂撮影−−畳平
<西穂高岳稜線より眺望できる主な山々>
・西穂高岳独標(2701m)近くの稜線(撮影ポイント)から遠望できる山々を予め地図3Dシミュレーションで予想してみました。撮影ポイントの回りは3000m近い山々に囲まれており、天気が良ければ眼前に迫力ある夏山風景を収めることができます。しかし、山の天気は変わりやすく何度も裏切られており、まさに天気次第です。
シミュレーション展望図1.: 稜線撮影ポイントより南東方面の山々 | |
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シミュレーション展望図2.: 稜線撮影ポイントより北西方面の山々 | |
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はるかかなたに私の好きな黒部五郎岳が遠望できるとは嬉しい限りです | |
<乗鞍岳より眺望できる主な山々>
・乗鞍岳(3026m)はほぼ独立峰ですので頂上直下の稜線から頂上までを撮影ポイントとすればかなり遠くの多くの山々を見ることができます。シミュレーションでは距離200km程度の眺望を想定しました。
シミュレーション展望図3.: 稜線撮影ポイントより北方面の山々 |
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北アルプス南部の主な山々が眺望できます |
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シミュレーション展望図4.: 稜線撮影ポイントより南東方面の山々 |
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八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスの山々が眺望できます |
* 下へスクロールすると写真がご覧になれます
(1)西穂高山荘へ
西穂高岳への一般登山路は上高地側と新穂高温泉側の2つがありますが、現在はロープウエイがあり短時間で山荘まで登れる新穂高温泉側を利用する人が多くなりました。今回の山行では写真機材を多く背負っての登山ですので登りは新穂高側、下りは上高地側登山路を利用しました。
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写真1.1: ロープウエイ駅から望む穂高稜線 |
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写真1.2: ロープウエイ西穂高口駅(2156m) |
便利になったもので約1000mを一気に登ってしまいます。ここから急登ですが西穂山荘まで約1.5時間で登ることが出来ます。 |
(2)「西穂稜線より眺める山々」を撮る
早朝自宅を出て午後3時に西穂山荘到着、天気もよいので西穂稜線の独標(2701m)近くまで早速写真撮影に行きました。この時間、登山者はほとんどいない静かな稜線です。私と同じような写真愛好家に出会い、二人で意気投合し暮れゆく山並みを撮り続けました
・「西穂稜線より眺める山々」を撮る・・・光と雲(ガス)の織りなす山岳風景 |
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写真2.1: 雲間に浮かぶ雄峰・笠ヶ岳 (2898m) |
薬師岳や双六岳方面から見る山頂は編み笠のような奇妙な山容ですが、ここから見る山容は雄大です。 |
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写真2.2: 雷雲覆う焼岳・乗鞍岳(後方) |
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写真2.3: 雲舞う西穂高稜線 |
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写真2.4: 威風堂々岩峰聳える峰峰 |
左:前穂高岳(3090m)、右:明神岳(2931m) |
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写真2.5: 雷雲湧く霞沢岳(2646m)夕照 |
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写真2.6: 夕映え雲走る笠ヶ岳 |
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写真2.7: 爽快穂高稜線 |
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写真2.8: 夕映え雲押し寄せる焼岳 |
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写真2.9: 明日の好天気を信じて |
(3)上高地点景
早朝の西穂稜線での撮影後、上高地へ下山しました。若い頃苦労して上り下りした記憶がよみがえりましたが、現在の登山路はよく整備されており、危険箇所もなく下山できました。ただ今回は写真機材を少々欲張って背負ったため(通常の山歩きより約4.5kg重い)下山路では老体には少々応えました。
・絵はがき的ですがいつも撮る代表的な景色 |
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写真3.1: 清流・梓川と穂高の山々 |
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写真3.2: 穂高連山眺望 (田代池) |
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写真3.3: 朝霧消え浮かび上がる六百山 (田代池) |
昔と比べ清流は変わりませんが、池の面積が年々小さくなっているようです |
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写真3.4: いつ来ても変わらぬ田代池の清流 |
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写真3.5: 焼ヶ岳と大正池 |
年々池の面積は小さくなっている。東電が流入してくる土砂の排出など管理しているが、今後も継続できるのか? |
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写真3.6: 岳沢好日 |
このように晴れ渡る岳沢の風景は珍しい。若い頃、山友と前穂高岳から駆け下りたことが思い出されます。 |
(4)乗鞍岳周辺点景
乗鞍畳平(2704m)はバスで気軽にこれ、高山の雰囲気にひたれることから夏場は多くの観光客が訪れます。周囲には箱庭的ですが高山植物も身近に見ることができ人気があります。しかし散策路を外れると3000m級の自然の山域で熊など多くの動物の領域です。今回も登山路のごく近い山域にツキノワグマが徘徊しており、自然観察員が警戒にあたっていました。
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写真4.1: お花畑を行く散策路(1) |
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写真4.2: お花畑を行く散策路(2) |
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写真4.3: 雪残る不消ヶ池 |
上方の白いドームは旧コロナ観測所(現在は名称変更されています) |
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写真4.4: 熊が徘徊している不消ヶ池近辺 |
この日、左の山に若いツキノワグマが徘徊していた・・・「人間よ、ここは元々俺の遊び場だぞ」 と言っていたとか? |
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写真4.5: スキーヤーで賑わう大雪渓 |
右上方の峰が乗鞍岳山頂です |
(5)「アルプスの夜明け」を撮る
・シミュレーションでは8月4日の日の出は松本方向の浅間山山稜近くから4時55分頃あがることが分かります。 そこで早朝4時に小屋を出発、ヘッドライトたよりに山頂近くの撮影ポイントへ向かいました。前日近くの山域で熊が出没したことも忘れ、今年もこのような山行が出来ることを感謝しながらこれからの至福の時間に向かって黙々と登りました。
シミュレーション展望図5.:稜線撮影ポイントより東方面の山々と日の出のシミュレーション |
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・「アルプスの夜明け」を撮る・・・光と雲(ガス)の織りなす早朝の山岳絵巻 |
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写真5.1: 明けを待つ穂高・槍山塊 |
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写真5.2: 明け行く山並み |
後方の山並みは八ヶ岳連山 |
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写真5.3: ご来光 |
4時56分浅間山山麓に上がる |
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写真5.4: 光芒射しにわかに色づく雲海 |
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写真5.5: 旭光山肌を染める |
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写真5.6: 明け行く穂高・槍山塊 |
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写真5.7: 朝陽射す焼岳 |
前日同時刻に西穂稜線で撮影、後方の山が乗鞍岳 |
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写真5.8: 爽快・明け行く笠ヶ岳 |
前日ほぼ同時刻に西穂稜線で撮影 |
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写真5.9: 雲海を射す光芒 |
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写真5.10: 雲表舞う山並み |
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写真5.11: 朝陽雲海を染める |
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写真5.12: 爽快、雲表の山並み |
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写真5.13: 陽光あびるコマクサ群落 |
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写真5.14: 雲海に浮かぶ白山 |
(6).「乗鞍・富士見岳より穂高・槍山塊」を撮る
乗鞍・富士見岳(2817m)は展望のきく山です。山頂では北アルプス南部の山々が眼前に広がって迫ってきます。シミュレーション展望図を見ると若い頃一度は登ったことがある山々が数多く並んで表示されます。 そこで鳥になった気分で昔登った山々を別の角度から見るのも楽しいかと展望写真を撮ってみました。
シミュレーション展望図6.: 富士見岳山頂より展望できる北方面の山々 |
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シミュレーション展望図7.: 富士見岳山頂より展望できる北方面の山々(2) |
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写真6.1: 穂高・槍山塊 |
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写真6.2: 槍ヶ岳西鎌尾根方面の山々 |
裏銀座コースの雄大な野口五郎岳や針木岳など見えます。手前の山は焼岳山頂です。 |
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写真6.3: 双六岳方面の山々 |
黒部源流の水晶岳、鷲羽岳が見えます |
(7) 結び
今年も怪我もなく無事にアルプス山行を終えることが出来ました。 皆さまに感謝、感謝です。