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3.17 2013年夏山写真紀行
   
−−盛夏の白馬大池・白馬岳・大雪渓を撮る−−

1.日 時: 20013年8月1日〜4日


2.概 要
 毎年行っている夏の北アルプス山行、今年は趣味の写真撮影を目的とした山行としました。アルプスらしい高山の展望が利き、朝夕の山並みを撮ることが出来る場所、ということから過去何回か行ったことがある白馬岳と雲上の池・白馬大池周辺を選び、単独行で気ままに歩いてきました。特に白馬岳は過去何回か行ってますがいつも朝夕は夏特有の雷雲や霧に合い、よい写真撮影が出来ない私にとっては悪印象の場所です。そこで今回は稜線で2泊(白馬大池と白馬岳)とり、好条件を待つ計画としました。
 今年は異常天候続きで予報がくるくる変わり
、やっと回復と期待した入山日に予想外の大雨に遭い、ロープウエイが停止し栂池高原で滞留を余儀なくされるなどハプニングもありました。しかし、山の稜線歩きは幸い天候条件に恵まれ私にとっては至福の時間とも言うべきよい写真山行を楽しむことが出来ました。
 写真はまだまだ修行中の身、今回の山行写真で皆さんにどれだけ山の雰囲気をお伝えできるか分かりませんが以下に各行程での写真を掲載致します。



<コース概要>

  ・第1日目: 栂池高原・・・(栂池ゴンドラ・ロープウエイ)・・・栂池自然園登山口(1861m)−−−天狗原−−−乗鞍岳(2436m)−−−白馬大池山荘(泊)(2366m)==(白馬大池周辺撮影)
 
・第2日目: 白馬大池山荘(2366m)==(早朝の白馬大池撮影)−−雷鳥坂−−小蓮華山(2769m)−−(稜線撮影)−−三国境−−白馬岳(2933m)−−村営頂上宿舎(泊)==(夕暮れの白馬岳周辺撮影)
 
・第3日目: 村営頂上宿舎(2733m)==(早朝の撮影は悪天候で中止)−−葱平−−大雪渓−−(雨模様の大雪渓撮影)−−白馬尻小屋−−猿倉


白馬岳周辺地図: 赤線が今回の山行コース



第1日目コース断面図(栂池自然園−−乗鞍岳−−白馬大池)
1日目のコース:途中に天狗原の池塘や雪渓がある快適なコ−ス
・沿面距離:5.9km、累積標高:+606m、−77m
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第2日目コース断面図(白馬大池−−小蓮華山−−白馬岳−−頂上宿舎)
2日目のコース:天候がよければ左右の山々を眺めながらの稜線歩きが出来る。今回はまさにこの条件が当てはまる快適な雲上歩きであった。花と雷鳥が多いのもこのコースの特徴である。
・沿面距離:5.9m、累積標高:+675m、−311m
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第3日目コース断面図(頂上宿舎−−大雪渓−−白馬尻−−猿倉)
・3日目のコース:登山者に人気のある大雪渓コース、ほぼ下り一方の行程で、その約40%は雪渓で本来は涼しい快適なコースである。しかし今回の大雪渓、降り続いた大雨の影響で落石や土砂が入り込み、大きなクレパスが生じ過去最も最も荒れた雪渓状態であった。前半は雨の中での下山、後半は天気回復したがクレパスなどで迂回路多く予定以上の時間を要した。老体には膝の負担が大きい。
・沿面距離:約5.45km、累積標高:+7m、-1462m



* 下へスクロールすると写真がご覧になれます

(1)白馬大池山荘へ(栂池自然園−−天狗原−−乗鞍岳−−白馬大池)
  白馬大池山荘への一般登山路は栂池高原側と蓮華温泉側の2つがあります。現在はロープウエイがあり栂池自然園経由で短時間で山荘まで登れる栂池高原側を利用する人が多いです。温泉と静かな山旅を好む人は蓮華温泉側を利用しているようです。私は若いときより栂池高原をスキーなどで利用しているため今回の山行では慣れ親しんだ栂池側を使用しました。


写真1.1  栂池自然園登山口
小雨混じりのガスに包まれ視界が全く効かない
写真1.2    天狗原の池塘
登るにつれ天候回復、乗鞍岳斜面の雪渓が眩しい
写真1.3   天狗原の一角にある祠
地名が示すごとく逸話があり昔からの信仰対象になっている
写真1.4  乗鞍岳頂上
大きな岩とハイマツに覆われた平坦な地形、ガスがかかると道を見失うと、地元の人は昔から言っている
写真1.5    乗鞍岳東端部より眺める白馬大池
ガスに見え隠れし幻想的な光景を示す。また晴れた日は正面背後に雪を覆った雪倉岳が聳えこれもまた美しい光景です。

(2)雲上の池「白馬大池」を撮る(白馬大池・雷鳥坂周辺)
白馬大池、綺麗な山上湖です。しかし今までの登山時は栂池自然園から白馬岳まで一気に登ることが多く、白馬大池は休憩ポイントでした。この気になっていた白馬大池、今回撮影登山と言うことで白馬大池山荘に泊まり、朝夕の状景をじっくり撮ってみました。

A.・霧の白馬大池
写真2.1    霧に包まれた白馬大池湖畔
霧が切れると花々が浮かび上がるように現れる
写真2.2   湖畔に咲く花々
湖畔はチングルマ、ハクサンイチゲなど多くの花々が咲き競う
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B.早朝の白馬大池
写真2.3   山上湖の夜明け・・色付く湖面(4時41分)
天空が明るみ色付く日の出前、黒い湖面が神秘的に色付き始める
写真2.4 色付く湖面
月が輝く夜明け前
写真2.5 荘厳なアルプスの夜明け(4時57分)
雲を赤く染めながら妙高山方面の雲海上に旭光が上がる
写真2.6    旭光山肌を染める
カラマツや山肌が赤く染まる
写真2.7   雲海に浮かぶ爽快・乗鞍岳
写真2.8     湖面の輝き
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C.晴れ渡る朝の白馬大池
写真2.9    爽快・湖面の輝き
透き通るような山上の湖面、鏡のように光り輝く
写真2.10    湖畔のハクサンイチゲ
朝の斜光を浴び雅に咲く花々
写真2.11    雲海に浮かぶ雲上湖・白馬大池
今回はまさに雲上湖に相応しい条件が整った一カットです

(3)白馬岳へ至る稜線から山々を撮る(白馬大池−−雷鳥坂−−小蓮華山−−三国境−−白馬岳−−頂上宿舎)
白馬大池から白馬岳へ至るこの稜線は、長野・富山・新潟の県境に沿った山稜です。稜線右側は安曇野に通ずる谷間で天気がよければ後立山連峰や遠く北アルプスの山々が望め、稜線右側は雪倉岳や朝日岳、遠く富山湾が遠望できます。またこの稜線は高山植物が多く咲き、地名にあるように雷鳥が多く生息しております。天気がよければ好被写体に恵まれます。

<稜線より長野側に眺望できる主な山々>
  ・小蓮華山(2769m)近くの稜線(撮影ポイント)から遠望できる山々を予め地図3Dシミュレーションで予想してみました。撮影ポイントの周りは3000m近い山々に囲まれており、天気が良ければ眼前に迫力ある夏山風景を収めることができます。しかし、山の天気は変わりやすく何度も裏切られており、まさに天気次第です。


鹿島槍ヶ岳など後立山連峰の山々を眺める好立地であり、天気が良ければ遠く槍ヶ岳や立山などが望めるはずです
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写真3.1    雲海に浮かぶ後立山の山々
中央が双耳峰の鹿島槍ヶ岳
写真3.2  雲海に浮かぶ雪倉岳・朝日岳
遠く背後に富山湾が望めます
写真3.3    堂々たる白馬二山(鑓ヶ岳、杓子岳)
写真3.4  秀峰鹿島槍ヶ岳・五龍岳・唐松岳の山々
写真3.5    槍ヶ岳、立山遠望
好天に恵まれ標高が上がるにつれ遠く北アルプスや立山の山々が望めました。まさにシュミレーション通りの展望が出来ました
写真3.6    ハクサンイチゲと白馬三山
右側の峰が白馬岳稜線にはいろいろの花の群落があり彩りを添えてくれます
写真3.7    コバイケソウと白馬三山
写真3.8     爽快白馬三山
写真3.9    山頂への道
登山者が米粒のようで山容の雄大さが分かる
写真3.10    白馬岳山頂
なだらかな殺風景な山頂である
写真3.11  花が咲き乱れる白馬岳周辺
まさに百花繚乱です
写真3.12  花が咲き乱れる白馬岳周辺(2)



(4)雷鳥を撮る(白馬岳近くの稜線)
雷鳥坂の地名が示すようにこの稜線は雷鳥が多く生息しています。毎回この山域で子供を従えた雷鳥一家に遭遇し、疲れを忘れ見とれます。しかし今回の山行ではあまりにも好天気のためか雷鳥坂近辺では出会うことが出来ませんでした。しかし白馬岳山頂近くの岩稜で子連れの雷鳥一家に遭遇しました。どうもこの人間を恐れない親雷鳥、登山者の多い稜線は天敵が近づかないと逆手に考えている知恵もののようです。

・雷鳥一家の会話
写真4.1      親鳥 「うるさい人間が来たようだ。注意!」
写真4.2   親鳥 「焼き鳥を食べる人間には近づいてはいけないよ」、子鳥 「ウン、分かったよ」
写真4.3     子鳥 「でもボク、人間に興味有るな」
写真4.4    子鳥 「でもやっぱり怖わそう」
写真4.5    子鳥 「マッテ兄貴、置いてきぼりにしないでよ!」



(5)白馬岳周辺の夕景を撮る(丸山付近の稜線)

白馬岳には何回か来ておりますがいつも天気に恵まれず良い写真が撮れておりません。今回は好天気に恵まれ早速小屋近くのビューポイント丸山(2768m)に登り、夕暮れの山々へカメラを向けました。

写真5.1    斜光に輝くお花畑
写真5.2    雲舞う夕暮れの杓子岳
写真5.3     夕映えの白馬二山(杓子岳、鑓ヶ岳(右) )
写真5.4     雲海を染めて
裏朝日岳稜線の雲海を染めて落日
写真5.5   暮れゆく白馬岳(19時6分)
上空に雲一つ無い静かな夕暮れ、明日も好天気を予想させたが・・・・。









(6)大雪渓を撮る(頂上宿舎−−葱平−−大雪渓−−白馬尻−−猿倉)

朝4時、窓に吹き付ける強風で目を覚まし、小屋の外にでる。小雨混じりのガスが強風となって大雪渓方面に吹き下ろしている。昨夜10時頃は星が輝く好天気であったので一瞬信じられぬような急変である。今回もご来光撮影はお預けである。これが山の天気なのだと自問しながら大雪渓下山時の雨具の準備に取りかかりました。

写真6.1   雨の中元気に登る登山者
写真6.2    連なる大雪渓の登山者
日曜日のためか登山者が多い
写真6.3    大きなクレパス
前方に例年に見られぬ大きなクレパスが出現している
写真6.4    土砂が散乱する大雪渓
降り続いた豪雨で土砂が進入、落石も多く例年にない荒れた大雪渓である
写真6.5  大きなクレパス
雪渓上の登山道がクレパスで遮断、迂回を余儀なくされかなり時間を費やす
写真6.6  白馬尻
無事下山ほっと一息いれる

*感謝
今回も無事怪我もなく下山できました。これもお世話になりました山小屋の関係者、同宿の皆さんのお陰です。 感謝、感謝です。
とりわけ30年ぶりに訪れた「サンライズタンネ」の皆さんには何かとお世話になり、お陰様でよい山行が出来ました。 お礼申し上げます。

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