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5.12. 陶芸作品群12

1.概要
 2013年10月から2014年4月に作陶した作品群です。陶芸は奥が深くまだまだいろいろな手法や材料、その使い方があります。更に見聞を広めるための作陶に取り組みました。各地域の特色ある陶土に基づき発展してきた焼き物の世界もセラミック技術の進歩とともに材料や技法に変化が見られます。今回試作に使用した透光性陶土もその一つかと思います。産業用セラミックの世界では切削可能な高耐熱部材や高耐熱・高耐久性を持つ高透光性の多結晶アルミナ、単結晶アルミナ材が出現し新しい産業展開がなされております。透光性陶土も今までの焼き物の概念を拡大する部材のように思われます。また陶壁にひび割れを入れる成形技術や超薄壁成形法なども興味ある技法であり今回試作してみました。
趣味の陶芸でありますので制作は手回しろくろによる作陶が主体ですが、作陶の幅を広げるため電動ろくろを使用した作陶にも少しずつ取り組んでおります。

2.作陶時期
    ・2013年9月〜2014年3月に作陶した作品です。

青磁象嵌鶴文茶器
(
韓国
・池青作・・明かり人蔵)








      *下へスクロールすると写真がご覧になれます







作品番号
名称
117.透光ランプ容器
製法 ・土:透光土
・たたら作り、ゴム風船上で円形加工
・赤土星加工貼付、呉須絵付け、透明釉薬ずぶ掛け
・酸化焼成
コメント ・信楽で使われている特殊透光土を使用した試作品
・この土は腰がなく普通のろくろ成形は難しいためタタラ成形がよい
・焼成後ガラス質化し透光性がでるようである
作品番号
名称
同上をランプ外囲器として使用した例
コメント ・透光性の性能が発揮できるランプ外囲器を製作
・中に小型ランプを入れれば、ほのかな光が漏れ出る雰囲気を作り出せる
・成形型を使用すれば成形も容易で応用範囲が広がる
作品番号
名称
118.飴雪平鍋
製法 ・土:鍋土
・鍋部:紐積み上げ手び練り法、蓋部:玉作り手び練り法
・飴釉薬ずぶ掛け
・酸化焼成
コメント ・注ぎ口と取ってのある土鍋
・雪平鍋(行平鍋)は、伊勢物語で在原業平の兄・行平が海女に海水から塩を煮込んで作らせた故事に因むといわれている
作品番号
名称
同上行平鍋
コメント ・蓋が容器になる(名古屋風)ように製作した作品です
作品番号
名称
119.土灰御影植木鉢
製法 ・土:近江12号
・紐積み上げ手び練り法
・土灰釉薬
・還元焼成
コメント ・白御影は味がありますが作りにくい土です。今回使用の近江12号は赤土で御影が出る作りやすい土です。但しざらつきがあるので食器には不向き。
・植木鉢に挑戦
・土灰+還元で御影の表色がやや不鮮明となった
作品番号
名称
120.鉄絵脚付きタタラ皿
製法 ・土:再生黒陶土
・たたら作り、背面脚付き
背景:撥水剤山絵+鉄赤釉、近景:黒マット+明色黄瀬戸釉
・酸化焼成
コメント ・夕日に浮かぶ山々をイメージし、陰刻風に製作
作品番号
名称
同上作品(立て姿)
コメント ・雲の描写と彩色にもう一工夫必要のようである。
・鉄赤釉薬は深みがあり魅力的である。赤富士に挑戦してみたい。
作品番号
名称
121.青磁ひび割れ鉢
製法 ・土:半磁器土(赤津貫入土)
・紐積み上げ手び練り法
・ひび割れ想定部に硅酸ソーダ(水ガラス)塗布
・ひび割れ部呉須塗布+青白磁釉ずぶ掛け
・還元焼成
コメント ・狙い:中鉢の外壁側面にひびを入れ呉須を染みこまし青白磁鉢の景色とした。
作品番号
名称
同上作品のひび割れ部拡大
コメント ・この作品は土として半磁器土(赤津貫入土)を使用し、ひび割れを大きくした。・粘りけのある土(白信楽、黒陶など)の場合は細かいひびとなる。
作品番号
名称
122.青白磁縁付小鉢
製法 ・土:白信楽
・紐積み上げ手び練り法
・口壁部に返し加工
・青白磁釉ずぶ掛け
・還元焼成
コメント ・狙い:口壁部に返しを設け使いやすくした作品
作品番号
名称
122.瑠璃貼花カップ
製法 ・土:白信楽
・紐積み上げ手び練り法
・外壁貼花ドベ付け、花部彩色、取って付け
・釉薬:内部・・乳白、外部・・瑠璃
・酸化焼成
コメント ・貼花技法習得の作品です
作品番号
名称
123.紅志野抹茶茶碗
製法 ・土:織部土
・玉作り手び練り法
・ベンガラ山絵付け
・釉薬:紅志野ドブ付け
・還元焼成
コメント ・志野茶碗は室町時代やその後の先人(荒川豊蔵、加藤唐九郎など)の名碗がよく知られ、それぞれよい味がある。陶芸をやる者は誰でもあこがれである。
作品番号
名称
124.平津志野抹茶茶碗
製法 ・土:織部土
・玉作り手び練り法
・ベンガラ山絵付け
・釉薬:平津志野ドブ付け
・還元焼成
コメント ・紅志野より白い彩色を示します
作品番号
名称
紅志野・平津志野比較
コメント ・先人の名碗に比較できるレベルに達していない。
・特に型にとらわれすぎて力強さが不足し、落ち着いた安定感も乏しい。また再挑戦です。
作品番号
名称
125.超薄手カップ
製法 ・土:黒陶土+紙繊維練り込み
・薄タタラ(2mm)型巻き作り
・釉薬彩色:瑠璃青吹き付け+乳白釉吹き付け
・酸化焼成
コメント ・非常に軽い陶器とは思えない金属状のカップが出来ました。但しやや歪みあり。
     −−−−
*極薄容器の製作注意点

・陶土肉厚約2mmが限界
・割れ防止に陶土に紙繊維混入
・タタラ型作り
・普通の釉薬掛けは不可
・釉薬彩色は吹き付け
・歪みにくい酸化焼成
作品番号
名称
126.青磁電動ろくろ茶碗
製法 ・土:赤土
・電動ろくろ法
・釉薬:青磁釉ドブ付け
・還元焼成
コメント ・電動ろくろ成形手法取得のための茶碗
作品番号
名称
127.黄瀬戸電動ろくろ茶碗
製法 ・土:赤土
・電動ろくろ法
・釉薬:黄瀬戸釉ドブ付け
・還元焼成
コメント ・電動ろくろ成形手法取得のための茶碗
作品番号
名称
上記電動ろくろ茶碗比較
コメント ・電動ろくろ成形手法取得のための茶碗です。どちらも成形が綺麗です。特に真円度は手動ろくろより精度が上がったものが作りやすい。





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