3.29 夏山写真紀行2018年
1.日 時: 20018年7月31日~8月3日
2.概 要
毎年行っている夏の北アルプス山行、今年も趣味の写真撮影を目的とした山行としました。アルプスらしい高山の展望が利き、朝の山並みを撮ることが出来る場所、ということから過去何回か行っている西穂高岳と乗鞍岳周辺を選び、単独行で気ままに歩いてきました。特に今回は上高地に泊まりじっくり周遊してきました。同じようなコースでも毎回天候条件が異なっているため展開する山容に新鮮な気持ちで向き合うことが出来ます。幸い今年も天候条件に恵まれ私にとっては至福の時間とも言うべきよい写真山行を楽しむことが出来ました。
皆さんにどれだけ山の雰囲気をお伝えできるか分かりませんが以下に各行程での写真を掲載致します。
<コース概要>
・第1日目:畳平--肩の小屋--乗鞍岳周辺夕景・星空撮影
・第2日目:肩の小屋--早朝乗鞍岳稜線・山頂(3026m)撮影--畳平--平湯--新穂高温泉・・・(新穂高ロープウエイ)・・・西穂高口---西穂山荘(泊)==(西穂稜線・星空撮影)
・第3日目:西穂山荘==(稜線撮影)==西穂高丸山--上高地(上高地夕景撮影)--上高地泊
・第4日目:上高地周遊(田代池・岳沢湿原、明神池など撮影)
なお、コースから展望できる山々などの詳細資料は下記の過去の山行記録にコース順に掲載しておりますのでご参照下さい。シミュレーション画像などあります。
「3.15. 夏山写真紀行-西穂高・上高地・乗鞍岳を撮る(2012年版)--」
「3.24. 夏山写真紀行-西穂高・上高地・乗鞍岳を撮る(2015年版)--」
* 下へスクロールすると写真がご覧になれます
(1)乗鞍岳・西穂高岳山稜より「アルプスの夜明け」を撮る
A.乗鞍岳の朝景:8月初旬の日の出は松本方向の浅間山山稜近くから4時56分頃上がります。 そこで早朝4時に乗鞍岳肩の小屋を出発、ガスが舞う登山路をヘッドライトたよりに山頂近くの撮影ポイントへ向かいました。今年もこのような山行が出来ることに感謝しながらこれからの至福の時間に向かって黙々と登りました。頂上近い撮影ポイントはガスが舞い続け日の出の松本方面はガスで全く視界が聞かない状況でした。待つこと30分、太陽が昇り始めるとガスも切れはじめ、好条件とは言えませんがこれはこれでよい景色でありシャターを押し続けました。
A-1.乗鞍岳:明け行く山並み |
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写真1:朝霧舞う穂高・槍山塊 |
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写真2:朝霧舞う穂高・槍山塊(2) |
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写真3:山稜に咲く花々・・・イワツメクサ |
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写真4:山稜に咲く花々(2)・・・コマクサ |
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写真5:れき岩山稜に咲く花々(3) |
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写真6:朝霧舞う穂高・槍山塊(3) |
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A-2. 幻影との出会い |
(1)ブロッケン:ガスに包まれ、見晴らしが利かない天候が悪いときでも山はいろいろな表情を見せてくれます。その一つがブロッケン現象に出会えることです。太陽を背にした霧の中で出会えます。古来、信仰登山で苦労して山頂に登り、このブロッケンに出会うと、後光を背負った阿弥陀如来の出現と信じられ、たいそうありがたられたようです。 |
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写真7:権現池上のブロッケン |
乗鞍岳造山期の火口跡である権現池、、山上の神秘的な綺麗な池です。ここでのブロッケンは荘厳です |
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(2)不消ヶ池幻彩:日中の不消ヶ池は火山性の土質のためかいつも残雪に囲まれエメラルド色の極彩色に彩られて美しい。夕映え時は湖面が赤く染まり神秘的な美しさを呈します。今回もそれを期待してガスの中を待つこと20分、池面に不思議な彩りが浮かび上がり驚きました。 |
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写真8:ガスに包まれる不消ヶ池 |
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写真9:霧中幻彩(不消ヶ池) |
霧の中待つこと20分、突然池が染まり画像が浮かび上がりました。その時間4~5分で元の無彩色の池面に戻りました。ガスの中、外光が池面に入射する様子はまったく観察できない中での不思議な現象でした。初めての出会いで願いがかなったのでしょうか。 |
B.西穂高岳の朝景:西穂稜線のご来光は前にそびえる前穂高と明神岳に遮られ遅い時刻です。しかし、稜線より見る周囲の山々は旭光を受け刻刻と変化し、まさに明け行く山並みの美しさを呈します。
B.西穂高岳稜線:明け行く山並み |
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写真10:明け行く山並み |
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写真11:爽快・上高地を囲む山々の夜明け・・焼岳(手前右)、乗鞍岳(左奥) |
昨日の朝、朝霧の中で乗鞍岳頂上よりこちらを撮っていました |
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写真12: 爽快・明け行く笠ヶ岳 |
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写真13: 爽快・明け行く加賀の秀峰・白山 |
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写真14:爽快・明け行く西穂高山稜 |
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写真15:明けを待つ穂高の山々・・前穂高岳(左)、明神岳(右) |
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写真16:ハイマツ帯を飛び回るホシガラス |
ハイマツの実を食べています |
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写真17: 朝光射す山々・・・大滝山山稜(手前)、八ヶ岳山塊(奥) |
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写真18:明け行く山並み・・・富士山遠望 |
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写真19:雲海に浮かぶ白山 |
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写真20:明け行く穂高の山々・・前穂高岳(左)、明神岳(右) |
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写真21:明け行く穂高の山々 |
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写真22: 朝光に輝く六百山と霞沢岳 |
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写真23:明け行く山々を見守る月 |
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写真24:明け行く山並み・・・八ヶ岳連峰遠望 |
(2)西穂高岳山稜より「アルプスの夏雲」を撮る
真夏の3000m級の山々は日中晴天であっても午後から雷雲が発生し、雷雨に遭うことが多い。そのため綺麗な夕景に遇うことは少ない。山々の上に立ちのぼる大きな積乱雲は刻々変化しドラマチックな夏山風景を展開し目が離せない。
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写真25:壮大な夏雲乱舞する霞沢岳 |
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写真26:壮大な夏雲乱舞する霞沢岳(2) |
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写真27:壮大な夏雲乱舞する霞沢岳(3) |
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写真28:壮大な夏雲乱舞する霞沢岳(4)・・・下方が上高地 |
(3)乗鞍岳・西穂高岳山稜より「アルプスの星空」を撮る
A.乗鞍岳山稜の銀河 |
乗鞍岳山稜には東大のコロナ観測所や宇宙線観測所(最近名称変更されている)が設置されており、天体観測の好適地です。 |
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写真29:夕方雲舞う乗鞍岳 |
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写真30:乗鞍岳山頂より立ちのぼる天の川銀河 |
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写真31:ガス舞う乗鞍岳山頂より立ちのぼる天の川銀河(2) |
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B.西穂山稜の星空 |
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写真32:雲舞う星座 |
山上をたなびく雲がオーロラのように輝き美しい |
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写真33:天の川銀河を横切る衛星 |
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写真34:天の川銀河を横切る衛星群 |
山上から立ち上がる天の川銀河、その銀河を流星ならぬ人工衛星群が個別信号を瞬きながら横切る様はまさに現代の天体ショウです。夏風に吹かれながら星空を眺める自然の風雅さは失われつつあるようです。 |
(4)上高地点景
早朝の西穂稜線での撮影後、上高地へ下山しました。若い頃苦労して上り下りした記憶がよみがえりましたが、現在の登山路はよく整備されており、危険箇所もなく下山できました。ただ写真機材を少々欲張って背負ったため長い下山路は老体には少々応えました。
少し絵はがき的な写真ですが毎回撮ってその変化を確認しております。特に今回は岳沢湿原や朝夕の景色など撮ってみました。
A.上高地の夕景・星空を撮る |
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写真35:穂高夕照 |
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写真36:暮れゆく穂高の山並み |
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写真37:燃える焼岳夕照 |
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写真38:上高地の星空(梓川中州より) |
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B.朝の上高地点描 |
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写真39:焼岳朝の目覚め |
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写真40:朝霧舞う明神岳・梓川 |
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写真41:梓川・目覚めのとき |
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写真42:朝の田代湿原 |
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写真43:清流田代池 |
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写真44:奥穂高遠望 |
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C.上高地:岳沢の清流と明神池を撮る |
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写真45:清澄岳沢湿原 |
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写真46:清澄岳沢湿原(2) |
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写真47:岳沢からの清流 |
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写真48:岳沢からの清流(2) |
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写真49:岳沢からの清流(3) |
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D.穂高奥宮・明神池 |
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写真50:明神館前の穂高奥宮入り口 |
槍・穂高の登山者はここでしばしの休憩をとる |
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写真51:清澄明神池 |
穂高奥宮の神域です |
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写真52:清澄明神池(2) |
(4) 結び
今年も怪我もなく無事にアルプス山行を終えることが出来ました。山小屋関係者の皆さん、また山小屋で同室となった皆さん、楽しい山談義など頂き楽しい時を過ごすことが出来ました。 皆さまに感謝、感謝です。